劇団からっかぜの芝居つくりで思うことⅩ [劇団からっかぜ]
『スタニスラフスキーの9つの疑問』必ずなんらかの面白いことが起きる。
(本に接しての興味心)
1、私は何者か?(Who am I?)その人物について、台本から事実を書き出す。
※他人が自分を何て言ってるか、それに対して自分について何を言っているか?
「他の人物が自分について言うこと」と「自分が自分について言うこと」は
マッチしていない、なぜ?
性別:生まれ・育ち・年齢・家庭環境・他の登場人物との物理的な人間関係。
個性:内面の個性と外面の個性と分けて考える。ある内面が存在するとき、外面
はどう現れているか、並べて記述してみる。この設定の場面の時にこんな特徴の
行動をとる。その個別性を記述してある所を台本に書かれているすべてから拾い
出す。
或事件を経験する中で影響を受け自分が変化する所。どのような認識をする人物
かに注目する。(+成長する変化とマイナスの変化)にも注目する。
外面:怒っている/おしゃべり
内面:恐れている/はにかみ
この場面でこんなことをする?その個別性を台本からすべて拾い出す。
視点 幼児の自分本位な、身勝手な考え方
視線 人と人の結びつきを考えその結びつきを「意識」できる
視面 結びつきを面(社会性)で「意識」できる
視野 経験を積み、自分と他人と物事を俯瞰(ふかん)することができる
視座 社会性と歴史で「意識」できる
○客が見ている舞台上で体験(見聞き)し、視点から視面/視野へと価値観が変わる。
2、私はどこにいるか。?(Where am I?)
(例)見知らぬところ、見慣れたところ、自分の領域。
※その結果、自分のステイタス(芝居の中の位置付け)を知る。
そこはどこの国?街?場所?
その人物にとって親しみのある場所?慣れない場所?
屋外?屋内?
物理的空間。社会的立場。(場所に対するこだわりにも関係する)
3、いつのことなのか(When is it?)
※時代・出来事・思想・権力者など背景を知ることにより、芝居は変化する。
(例)戦前・戦後・人種・階級の違い、季節など 今は朝?昼?夜? 何時?
作者は、面白くするため、決定的な「いつのこと」を設定しているのでは?
4、私はなにを欲しているか?(What am I to do? What do I want?)
Objective and Action(オブジェクティブとアクション:目的と行動)
ファクト(事実)の課題に対しての要求である。
※各場面で自分が何をしたいのか知る。(他人に~させている事)
目的が行動を伴う。意識の上での「目的」があり、それが物理的、肉体的衝動と
して表出する物が「行動」である。必ず能動態で、「私はこれをしたい。」「私
は誰それにこうしてもらいたい。」という文脈で考える。
行動に移す事の出来る動詞を選ぶのが大切。演技の元になる物を探す課程である
のだから、抽象的な形容詞を選んでも仕方がない。相手役に対してどの様な行動
を行っているか、きちんと動詞の形で押さえておく。
出来事をロマンチックにしやすい雰囲気を取り除く。
但し、これをあくまでも内面に忠実な行動としてとらえておくことが肝心。外面
の行動は別にあります。
5、何故私はそれを欲するか?(Why do I want it?)Superobjective
(究極の理由)は何か、役者自身がイメージし,創造力が発揮されるもの。
それぞれの目的にしたがい、その理由を考える。ある登場人物の取る行動は、
ばらばらに見えても、必ず全体を貫く究極の理由がなくてはならない。
その場限りの行動理由もあるだろうが、それに捕らわれると、
自分がどこへ向かっているのかわからなくなってしまう。
全ての行動を書き出してみてから、なぜ・なぜ・何故と堀下げていく。
それらに共通する理由を探す。
※芝居全体を通じて自分が欲しているもの→超目的
人間は常に何かを欲しがっているものである。
その場面に何をするために出てきたのか? 相手に何を求めているのか
(4の目的は、全てこれに通じている)
6、自分の欲しいもの(4の目的)をどうやって手に入れるのか(How do I get it?)
※行動と共に、考え方も変化する。→行動・手段
この部分は予めプランしてはいけない。稽古をしながら出会う。
「目的と行動」に密接に関連するが、ここではそれが目に見える動きとして現れる物
・「動作」を探す。目的に忠実な行動と、動作とは必ず一致しない。
また、一つの目的を達成するのは数種類の動作を伴う。
「これこれの動作によって、私は今この目的を達成しよう。」
7、何故、今欲しいのか? (Why now?)
※今、欲するということにより、その目的にエネルギーが与えられる。
※エネルギーは、想像で補うことが出来る。
危急性(危難が目前に迫っていること。その様)を登場人物に課することにより
劇的効果を高めることが出来る。どうでもいいや的行動は観客の興味を引かない。
8、ここでの障害は何か?(What obstacles are in my way?)
障害は、他の人物の目的であったり、物理的な障害であったり、本人の内面であった
りする。大事なのは、障害に向かっていくこと。障害が何かを説明してはいけない
(例)物理的な問題・他人の行動による障害・自分の内面の障害
※どんな障害があるかを演じるのではなく、いかにそれに向かっていくかを行動で行う。
・心理的障害。外面における障害。内面的障害。具体的な物を選ぶ。
9、この目的が達成できなかった場合、我が身になにがおきるか?
(What would happen if I couldn’t achieve the objective? The stakes.)
※想像する事により、どれだけの力が必要かを知る。
その目的を達成できなかったらどうなってしまうのか = 西洋の演出家は、演技に
緊迫感がない場合 “raise the stakes”という言い方をする。
目的が達成できるかどうかが人生の一大事になるようにしなければならない。
追加
イ) 自分はどこから来たか。登場する前に(ため)になにをしていたか??
※知ることにより、登場の仕方が場にふさわしくなる。
ロ) 私はどこに行くのだろう?
退場先ーーー例えば、行きたいところ。行きたくないところか?
ハ) 自分の目的・行動は成功したか?失敗したか?障害によって邪魔されたのか
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劇団からっかぜ
浜松市芸術祭演劇の60年史
(本に接しての興味心)
1、私は何者か?(Who am I?)その人物について、台本から事実を書き出す。
※他人が自分を何て言ってるか、それに対して自分について何を言っているか?
「他の人物が自分について言うこと」と「自分が自分について言うこと」は
マッチしていない、なぜ?
性別:生まれ・育ち・年齢・家庭環境・他の登場人物との物理的な人間関係。
個性:内面の個性と外面の個性と分けて考える。ある内面が存在するとき、外面
はどう現れているか、並べて記述してみる。この設定の場面の時にこんな特徴の
行動をとる。その個別性を記述してある所を台本に書かれているすべてから拾い
出す。
或事件を経験する中で影響を受け自分が変化する所。どのような認識をする人物
かに注目する。(+成長する変化とマイナスの変化)にも注目する。
外面:怒っている/おしゃべり
内面:恐れている/はにかみ
この場面でこんなことをする?その個別性を台本からすべて拾い出す。
視点 幼児の自分本位な、身勝手な考え方
視線 人と人の結びつきを考えその結びつきを「意識」できる
視面 結びつきを面(社会性)で「意識」できる
視野 経験を積み、自分と他人と物事を俯瞰(ふかん)することができる
視座 社会性と歴史で「意識」できる
○客が見ている舞台上で体験(見聞き)し、視点から視面/視野へと価値観が変わる。
2、私はどこにいるか。?(Where am I?)
(例)見知らぬところ、見慣れたところ、自分の領域。
※その結果、自分のステイタス(芝居の中の位置付け)を知る。
そこはどこの国?街?場所?
その人物にとって親しみのある場所?慣れない場所?
屋外?屋内?
物理的空間。社会的立場。(場所に対するこだわりにも関係する)
3、いつのことなのか(When is it?)
※時代・出来事・思想・権力者など背景を知ることにより、芝居は変化する。
(例)戦前・戦後・人種・階級の違い、季節など 今は朝?昼?夜? 何時?
作者は、面白くするため、決定的な「いつのこと」を設定しているのでは?
4、私はなにを欲しているか?(What am I to do? What do I want?)
Objective and Action(オブジェクティブとアクション:目的と行動)
ファクト(事実)の課題に対しての要求である。
※各場面で自分が何をしたいのか知る。(他人に~させている事)
目的が行動を伴う。意識の上での「目的」があり、それが物理的、肉体的衝動と
して表出する物が「行動」である。必ず能動態で、「私はこれをしたい。」「私
は誰それにこうしてもらいたい。」という文脈で考える。
行動に移す事の出来る動詞を選ぶのが大切。演技の元になる物を探す課程である
のだから、抽象的な形容詞を選んでも仕方がない。相手役に対してどの様な行動
を行っているか、きちんと動詞の形で押さえておく。
出来事をロマンチックにしやすい雰囲気を取り除く。
但し、これをあくまでも内面に忠実な行動としてとらえておくことが肝心。外面
の行動は別にあります。
5、何故私はそれを欲するか?(Why do I want it?)Superobjective
(究極の理由)は何か、役者自身がイメージし,創造力が発揮されるもの。
それぞれの目的にしたがい、その理由を考える。ある登場人物の取る行動は、
ばらばらに見えても、必ず全体を貫く究極の理由がなくてはならない。
その場限りの行動理由もあるだろうが、それに捕らわれると、
自分がどこへ向かっているのかわからなくなってしまう。
全ての行動を書き出してみてから、なぜ・なぜ・何故と堀下げていく。
それらに共通する理由を探す。
※芝居全体を通じて自分が欲しているもの→超目的
人間は常に何かを欲しがっているものである。
その場面に何をするために出てきたのか? 相手に何を求めているのか
(4の目的は、全てこれに通じている)
6、自分の欲しいもの(4の目的)をどうやって手に入れるのか(How do I get it?)
※行動と共に、考え方も変化する。→行動・手段
この部分は予めプランしてはいけない。稽古をしながら出会う。
「目的と行動」に密接に関連するが、ここではそれが目に見える動きとして現れる物
・「動作」を探す。目的に忠実な行動と、動作とは必ず一致しない。
また、一つの目的を達成するのは数種類の動作を伴う。
「これこれの動作によって、私は今この目的を達成しよう。」
7、何故、今欲しいのか? (Why now?)
※今、欲するということにより、その目的にエネルギーが与えられる。
※エネルギーは、想像で補うことが出来る。
危急性(危難が目前に迫っていること。その様)を登場人物に課することにより
劇的効果を高めることが出来る。どうでもいいや的行動は観客の興味を引かない。
8、ここでの障害は何か?(What obstacles are in my way?)
障害は、他の人物の目的であったり、物理的な障害であったり、本人の内面であった
りする。大事なのは、障害に向かっていくこと。障害が何かを説明してはいけない
(例)物理的な問題・他人の行動による障害・自分の内面の障害
※どんな障害があるかを演じるのではなく、いかにそれに向かっていくかを行動で行う。
・心理的障害。外面における障害。内面的障害。具体的な物を選ぶ。
9、この目的が達成できなかった場合、我が身になにがおきるか?
(What would happen if I couldn’t achieve the objective? The stakes.)
※想像する事により、どれだけの力が必要かを知る。
その目的を達成できなかったらどうなってしまうのか = 西洋の演出家は、演技に
緊迫感がない場合 “raise the stakes”という言い方をする。
目的が達成できるかどうかが人生の一大事になるようにしなければならない。
追加
イ) 自分はどこから来たか。登場する前に(ため)になにをしていたか??
※知ることにより、登場の仕方が場にふさわしくなる。
ロ) 私はどこに行くのだろう?
退場先ーーー例えば、行きたいところ。行きたくないところか?
ハ) 自分の目的・行動は成功したか?失敗したか?障害によって邪魔されたのか
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劇団からっかぜ
浜松市芸術祭演劇の60年史
2018-11-21 12:02
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